梳毛。繊維にクシを通すことで、短い繊維（けば）を取り除く「梳った（くしけずった）毛」のこと。梳毛糸（ウーステッド・ヤーン）で織った織物（梳毛織物）の総称でもある。ウーステッドの名称は英国ノーフォーク州の都市ウーステッドが原産地であったことに由来。余計な繊維は取り除くため、よりいい素材に仕上がる。髪の毛と同じでブラッシングにより毛並みがそろえばツヤが出たり指通りがなめらかになる。ウーステッドはスーツに使用すれば表面が綺麗な凹凸の少ない仕上がりになり、高級感のある光沢が生まれる。糸の撚りは強め。
一方、紡毛はクシを通すことをしないため、繊維は不均一であるものの膨らみ・あたたかみがある。紡毛よりも梳毛のほうが生産設備が大掛かりと言われており、製造工程もやや複雑である。