梳毛糸（そもうし）のこと。繊維にクシを通すことで、短い繊維（けば）を取り除く「梳った（くしけずった）毛糸」のこと。梳毛糸で織った織物（梳毛織物）の総称は単にウーステッドかウーステッド・ファブリックと呼ぶ。逆に繊維を引き揃えずに太さもまばらなまま糸にしたものを紡毛糸（ぼうもうし）と呼ぶ。梳毛糸では必ず行うコーミング工程は、紡毛糸においては必須ではない。梳毛糸は紡毛糸よりも生産工程が多いためコストも高いが、その分なめらかさ、肌触り、美しさは秀でている。繊維の方向が一定、太さにも均一性がある、糸の撚りが紡毛に比べて強い、毛羽が立ちにくく光沢感がある、１００％ウールでもツヤツヤである。梳毛糸を使えば春夏の薄手のニットもシャープなものができあがる。