スーツでスタイルアップできる!ブリティッシュドレープが日本人向けな理由を教えて!
2022年1月3日当時のものです。
公開から2年以上経過しています。
(1047日)
こんにちは!福島駅前店です(^^)/
お客様スーツコレクションのご紹介です。
スタイルの良さを活かした、スッキリと細身のスーツをお仕立て頂きました。
ストライプの柄も目立ちすぎず、品よく入っているタイプの生地で
お洒落な印象があります。
また、生地の糸が細く、ドレープが綺麗に出るのも特徴です。
とても素敵に着こなして頂きました。
撮影ご協力ありがとうございました。
またのご来店心よりお待ちしております
スーツのドレープって何?
袖ぐり、チェスト(胸元)、裾の生地に余裕を持たせること、またはそのデザイン自体のことを指します。
「でもスーツはフィットすることがキレイに着こなすポイントでは?」
もちろんスーツの基本はジャストフィットです。生地を余らせてゆるゆるに着こなすというわけではありません。ジャストフィットを保ちつつ立体感をつくるのがスーツのドレープの役割になります。例えば、体格がよい場合どうしてもピッタリ感が強く出すぎてしまいますよね。こんなとき、ドレープがあることで華奢に魅せることができる体型カバーのメリットが期待できるのです。また日本人は胴が長いという理由から同じスーツを着ても欧米人よりどうやってもスタイルをよく見せることが難しいのです。実はこの打開策がドレープに隠されています。
○ブリティッシュドレープ
ドレープと言えばブリティッシュというくらい英国と結び付きが強いです。
1920年代は着丈が長いコートのようなスーツが流行りました。バックフレアは乗馬の際に裾が引っかからないように工夫されたデザインです。
1930~1940年代はイタリア製より肩パットは厚めのボールド(大胆な)ルックです。広い肩幅や厚い胸板に見せるためチェストにボリューム感を持たせました。これがドレープの始まりです。
米国人のように筋肉質な身体つきではなかった英国人に、逆三角形のたくましさを演出するためのシルエットを生み出しました。
これをブリティッシュドレープまたはイングリッシュラウンジと呼びます。英国製スーツのほとんどがこの形を基本にしたスリーピースのスーツになっています。
ブリティッシュスタイルの特徴
ではドレープがスタイルにどんな変化をもたらすのでしょうか。ブリティッシュスタイルが持つ「クラシック感」「立体感」「カッチリ感」「機能性」これらの構成要素を詳しく解説していきます。
○肩
袖山が高く盛り上がっています(袖山とは袖の付け根から袖の一番太い部分までをいいます)。そのため肩のラインはナチュラルショルダーよりも反っているように見えます。こうすることでカッチリとした印象になり、肩幅が強調されますね。ビルドアップショルダー、ロープドショルダーと呼ばれています。また、肩パットはイタリアスーツより厚めにできています。
○ラペル(襟)
ラペルのゴージラインは高いデザイン(ハイゴージ)になっています。
ゴージラインとは上の襟と下の襟のつなぎ目のことを指します。
ゴージラインが高い位置にあると視線が頭寄りに集まりやすくなります。そうするとシルエットの縦が強調されて視覚的なスタイルアップ効果が見込めます。逆に低ければ下に視線が集まるためどっしり感や落ち着いた印象を与えます。スーツがタイトになればローゴージ、ややゆとりのあるスーツはハイゴージの傾向になります。
○シルエット
ジャケットの高めの位置でウエストを絞ることでシェイプしています。このシェイプが実はドレープだからこそできるデザインです。脚長効果が見込める秘訣はここにあります。
また、袖口やパンツの裾口は開きめになっており、バックスタイルはXラインを基調としたデザインになっています。非常にドレッシーですね。
○フロント
高いウエストシェイプに合わせてVゾーンが浅めです。これもカッチリ感を演出しているひとつです。
結果的に第1ボタンの位置が高くなりますね。
前裾のフロントカットは広めのカッタウェイフロントです。モーニングのような大きなカットが立体感を生み出し動きやすさの手助けをしてくれます。
○ネクタイ
レジメンタル(斜めストライプ柄)やタータンチェックが主流です。
レジメンタルにはストライプの線の方向で2種類に分かれます。英国式が右肩上がり、米国式が右肩下がりです。ネクタイは意外と目立ちますから間違いないように英国式を選びましょう。
タータンチェックは言わずもがなブリティッシュの代表ですね。かなりインパクトがありますのでスーツは無地で充分でしょう。
○ベント
ベントとはジャケットに入っている切り込みのことを指します。センターベントやサイドベントになっているのが特徴です。
特にセンターベントの切り込み具合は深く、これは馬にまたがりやすくなるためのデザインとして生まれました。サイドベントは「剣吊り」と言って、剣を身に付けやすいようにするためのデザインです。
○ポケット
スラントポケット(口が斜めのポケット)が特徴的です。正面から見るとハの字になっています。これは乗馬で前傾姿勢になったとき、物がポケットから落ちないように工夫されています。前傾姿勢になると口が地面と平行になりますね。またチェンジポケットと言って、右ポケットの上に小さいポケットがあります。元来、小銭やチケットといった細々したものを入れるために使われていましたが、現代では装飾の意味合いが強くなっています。したがってビジネスシーンでブリティッシュスタイルを活用したい場合はチェンジポケットを付けないほうが無難かもしれませんね。
どんな生地が使われるの?
実は日本の風土、気候に酷似しているイギリス。島国であり、冬は寒く、夏は多湿。このような環境に合わせ
・しっかり
・シワになりにくい
・耐久性に優れる
・ヨレない
といったカッチリさせるための生地を採用しています。代表的なものは
春夏の場合
・リネンブレンド
・ナイロン
秋冬の場合
・ウール
・ツイード
今は技術も進歩していてポリエステルをうまく混在させることにより素材のデメリットを補完できるようになっています。なんでも100%がいいというわけではないのは覚えておきたいところです。
また、織り方もさることながら、毛芯は厚めにしてしっかりさをキープしているのが特徴です。毛芯とは前身頃や襟に型崩れ防止のため、表地と裏地の間に入れる補強生地のことを指します。本来接着するものではないのですが現代スーツでは接着しているものも多いです。
非常に機能性、実用性に重きを置いたスーツと言えます。乗馬が主流とあって、毛芯に馬の毛を使って強度を増していたのもイギリス人らしい考えです。
ちなみにイタリア人やアメリカ人と比べて真面目で控えめな伝統を重んじるイギリス人はクラシック感に抵抗がありません。ここまで聞くと日本人はブリティッシュスタイルが合っていると言っても過言ではありませんね。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
デザイン性より機能性重視のブリティッシュスタイルも身体にジャストフィットしていればキレイに着こなすことが可能です。ポイントはブリティッシュスタイルを基本としたスタイルは崩さず、現代に合ったデザインで仕立てることです。ただ、ブリティッシュスタイルで採用されているハイゴージやカッタウェイは高度な技術が必要とされてきました。そこで「オーダースーツSADA」は裁断まで自社で行ない、職人さんの技術をマシンで実現することを可能にしました。さらにマシンにすることで大幅なコストダウンになります。
スーツは決して安い買い物ではありません。購入後に「あれ?なんか違う」とならないようにするためにもオーダースーツは選択肢のひとつと言えます。
「オーダースーツSADA」では身体の20箇所以上を測定することでお客様の曲線に合うスーツを提供することが可能です。新たなスーツスタイルをまたひとつ加えてみませんか?
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