🖤真スーツの知識 サージョンズカフス オーダースーツSADA 金沢香林坊店 投稿日 2023年3月22日 最終更新日 2023年4月9日 この記事の内容は、2023年3月22日当時のものです。 公開から1年以上経過しています。(604日) 『サージョンズカフス』はスーツが誕生した時点では 存在しなかったディテール。 手袋が多用された時代には有効に機能したボタンホールですが、 現在では単なる飾りに過ぎません。 英国ではサージョンズカフスではなく仮切羽仕様も多く サヴィルロウの高級ビスポークスーツであっても 特に指定しなければ、 サージョンズカフスではなく 仮切羽で仕上げるのがスタンダードです。 ナポリのサルトが自身の腕前を示すために、 更には英国との差別化戦略のために サージョンズカフスをアピールしたことから、 ナポリびいきの男性の間で 『サージョンズカフス=高級で職人技術の証』という風潮が浸透、 特にオーダースーツの場合には サージョンズカフス仕様が多く見られるようになりました。 イタリアにおいて上質なジャケットを子供に引き継ぐという風習 すなわち子供が成長して自分よりも腕が長くなった場合に 袖口を出した上で、袖口から最も遠い第1ボタンを取り外して 袖口近くのボタンとして装着し ボタンホールを開ける際に調整をしやすくする為に 第1第2ボタンはあえて仮切羽状態にして置くのが一般的です。 現在主流なのは実際にはボタンホールを切らず、 その名残りを縫い糸で示した『仮切羽』で、 縫い糸すら付けずボタンのみを付ける場合もあります。 一般にオーダー業界でも称される『開き見せ』とは 本来、カフスそのものがが実際には開かないのに 開くように見せる意匠の事で 対の仕様が周囲がぐるりと完全に縫い付けられる『筒袖』です。