スーツの生地「バーズアイ」とは?おすすめの着用シーンやアイテムも紹介します
T.K様
2022年10月2日当時のものです。
公開から2年以上経過しています。
(782日)
柄物スーツといえば、ストライプ柄やチェック柄が真っ先に頭に浮かぶ方もいるでしょう。しかしもう1種類、「織柄(おりがら)」と呼ばれるものが存在します。糸の「織り方」で柄を形成する手法で、今回紹介する「バーズアイ」も織柄の1種です。
この記事では、バーズアイについてどのような柄なのか、どのような印象を与えるのかなど網羅的に解説します。バーズアイ柄のスーツに合わせたいアイテムについても併せて紹介しているので、コーディネートの参考にしてみてください。
細身でありながらも、タイト過ぎないお客様のスタイルを活かしたシルエットに仕上がりました。
裏地に四葉がポイントのふじやま織を選んで頂きました。
バーズアイスーツってどんな柄?
バーズアイは英国生地に起源を持つとされており、由緒正しくクラシックな雰囲気の柄です。「バーズアイ=鳥の目」という名前が表す通り、丸の中に点が入っている目のような模様で、模様が大きいものを「ビッグバーズアイ」、模様が小さいものを「スモールバーズアイ」と呼びます。日本では「鳥目織り」とも呼ばれるので、聞いたことがある方も多いかもしれません。
バーズアイ生地の素材は、「黒とネイビー」「ダークグレーとグレー」など2色構成の糸です。あまり光沢はなく、落ち着いた質感となります。
柄物という枠組みではあるものの、シャドーストライプなどと同様に主張が強くないためビジネスシーンで問題なく使えるというポイントがあり、特にメンズビジネススーツとして人気のある柄です。
バーズアイと無地の違い
バーズアイ柄の特徴として、パッと見の印象はほとんど無地と変わらないという点が挙げられます。これが、ビジネスシーンでも問題なく使える理由です。
しかし、厳密にいうとバーズアイは柄物の範疇にあるため、無地とは異なります。それでは、バーズアイと無地の違いはどこにあるのでしょうか。
前項で述べたように、バーズアイ柄の生地は仕立てる工程で鳥の目のような模様を生地全体に散らすようにします。柄が大きくない限りは目立たないため、結果として無地のように見えるのです。しかし無地に比べると生地の凹凸があり、柔らかく落ち着いた雰囲気に仕上がります。
無地に見えるものの「織柄」と呼ばれる柄物に位置する点、無地に比べて生地表面の起伏がある点、光沢は強くなく渋めの印象がある点、これらが無地との違いといえるでしょう。
バーズアイスーツが与える印象
バーズアイ柄のスーツは全体的に「柔らかさ」「落ち着き」「クラシカル」「余裕感」といったイメージがあります。着用される方のイメージとしては、50代前後のベテランの方が想起されるかもしれません。また、バーズアイ柄がメンズビジネススーツに多く使われているため、どちらかというと男性の方が着用するイメージが強いといえるでしょう。
ビジネスマンとしての威厳に満ちた印象ではあるものの、柔和な雰囲気も同時に演出できるため、相手にあまり圧迫感を与えたくない場合などにおすすめです。
一方、シックな雰囲気が「若々しさ」とは対極的な印象をかもし出すことがあります。大人っぽいクラシカルな印象を抑えたい場合は、明るめのカラーにしたり、合わせる小物で調節したりすると良いでしょう。
バーズアイスーツを着用したいシーン
ビジネスシーンだけでなく、ほとんどあらゆる場面で使えるのがバーズアイスーツです。フォーマルな冠婚葬祭はもちろん、カジュアル感の強いイベントにも対応できるでしょう。
柄物とはいえ無地に近く、落ち着いた印象を演出できるため、ビジネススーツとの相性は非常に良いといえます。
その反面、就職活動には向きません。基本的には「黒と無地」がマナーとされているため、バーズアイのような柄物は推奨されないのです。就職活動のマナーも変わってきているため絶対とは言い切れませんが、受けたい会社の雰囲気や周囲との調和を重んじた方が無難といえます。
また、葬儀の席で着用することも避けましょう。突然の訃報で通夜に急行する場合などは例外的にビジネススーツでも認められるのですが、正式な葬儀においては、黒の喪服を着用することが求められます。
バーズアイスーツに合わせたいアイテム
スーツスタイルと柄との関係性は、「スーツ×シャツ×ネクタイ」で「1.5柄」がちょうど良いとされているようです。それぞれ、柄がある状態を「1柄」とすると、3つを組み合わせてちょうど真ん中くらいの印象に調整するのが良い、ということになります。
このことから、スーツスタイルにとってシャツとネクタイは非常に重要なアイテムということが分かるでしょう。とりわけ、3つの全てが重なる「Vゾーン」の見え方に印象の良しあしがかかっている、といっても過言ではありません。
最後に、バーズアイスーツに合わせたいアイテムについて、Vゾーンの解説と併せて紹介します。
Vゾーンの重要性
Vゾーンとは、スーツのジャケット・シャツ・ネクタイが重なるV字部分のことを指します。3つの要素が組み合わさる部分であり、人の目線が集中する箇所でもあるため、合わせ方が非常に重要なのです。
どのように合わせれば良いのか、という点ですが、目安としてはそれぞれの柄がある状態を「1柄」とし、足して「1.5柄」になるくらいがベストとされています。実際にコーディネートをする際には、ストライプやチェックは「1柄」とみなし、織柄や同色の柄は「0.5柄」として行ってみてください。
この記事で紹介している「バーズアイ柄」を例とすると、バーズアイは織柄となるため、「スーツ=0.5柄」となります。ここに合わせるとしたら、1柄のネクタイか1柄のシャツ、いずれかを組み合わせるとスッキリとした印象になりますし、コーディネートも簡単に行えるでしょう。
また、色の組み合わせについても考える必要があります。ジャケットの色はネイビー・グレー・ブラウンのどれか、シャツは白か有色系か、ネクタイは淡色と濃色どれか、ちぐはぐにならないように組み合わせてください。
バーズアイスーツに合わせたいシャツ&ネクタイ
前項で解説したように、バーズアイ柄は織柄に該当するため「0.5柄」となります。Vゾーンをきれいに見せるのであれば、あと1柄をプラスさせましょう。
例として、無地のシャツと柄物のネクタイを合わせるコーディネートはスッキリとして見栄えが良くなります。バーズアイスーツは一見無地に見えるため、全体的にスマートな印象にまとめられるでしょう。
反対にネクタイを無地にしてシャツを柄物にすると、少しカジュアルな印象が強まります。
シャツとネクタイどちらも柄物にする場合は、いずれかを織柄にするか、ストライプとチェックの別々で組み合わせると主張が激しくなり過ぎず、派手さを抑えることが可能です。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
この記事ではバーズアイ柄の概要と人に与える印象、着用シーン、合わせるアイテムなどに分けて解説しました。柄物ながらもシックで柔らかい印象があり、ビジネススーツとして使いやすいので、「ストライプ柄ほど派手とはいわないが、少しおしゃれ感を出したい」と考えている方は一度手に取ってみることをおすすめします。
既製品ではなく、一からバーズアイスーツを作ってほしいという方は、オーダースーツ専門店の「オーダースーツSADA」で相談してみてはいかがでしょうか。2022年11月現在、全国に49店舗を構えるオーダースーツSADAでは、創業以来500万着ものオーダースーツを仕立ててきた実績を背景に、フルオーダーでスーツを制作しています。生地から選ぶことができるため、バーズアイ柄も選ぶことが可能です。
合わせたいシャツやネクタイのイメージが決まっていれば、遠慮なくスタッフに相談してみてください。きっとあなただけの一品が適切な価格で手に入るでしょう。来店に際しては、HPより来店予約をしておくとスムーズにスーツオーダーを進められます。
シングルスーツ 2ボタン
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担当スタイリスト | 宮島 |