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今こそ、ウールという素材を知るべき時:2

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最終更新日
この記事の内容は、
2023年9月1日当時のものです。
公開から1年以上経過しています。
(443日)

皆様こんにちは。町田店のスタッフです。

前回に続き、今回はウールの吸湿性などをザックリと。

まずは、こちらをご覧ください。

繊維の各吸水性の性能を現した表です。

観るも明らかですが、ウールが断トツです。

下着でも良く使用される「綿」の少なくとも約3倍の吸湿性があります。

しかも、ウールは繊維自体で水分を吸収すると同時にその吸湿した水分をその状況下の環境に合わせて水蒸気として放湿してもくれます。寒いと湿度を徐々に放湿して気化熱を保持しつつ体温を高く保ち、暑いと放湿による気化熱を同時に奪うので湿気や熱を肌から遠ざけて涼しさを保ってくれます。

更に繊維内の湿度を60%に保つ特性があり、この60%というのは人間が快適と感じる湿度と言われておりますので、繊維内の湿度をコントロールしてくれる数少ない繊維なのです。

極端な例ですが、今現在ウール以外の生地を着て、汗でびちゃびちゃのままという状態に対して、

ウール生地を着て汗を放湿して快適のままという状況が体感できるということです。

で、これがなんでそういう性質があるのかと言いますと、繊維自体は人間の髪の毛によく似た構造をしており、キューティクル(スケールと呼ばれています)があります。

また、その内側はコルテックスというタンパク質があり、

これが水分の調整機能の役割を果たしています。その他方で外側はキューティクルによる疎水性つまり濡れに強い役割があるので、外側と内側の水分のコントロールが出来ているという訳です。

つまり、ほぼ人間の髪の毛と同じような性質があるので吸湿性と放湿性が高いというのがウールの特性で、しかも綿や麻などの他の天然繊維には見られない構造だそうです。

なので、ある程度濡れてもすぐに乾くし適度な湿度をコントロールしてくれるので、快適さが保たれ汗の冷えも起こらないわけです。

スーツも勿論ですが、お布団でも羽毛と共に良く使われるのは、こういった性質があるからなのでしょう。

尚、ポリエステルなどの化学繊維の断面はこうなってます。

たしかにダウンジャケット等にも使われている様に撥水性は高いですが、

断面を見ても明らかな様に吸湿も放湿性も難しいというのが分かるかと思います。

水を弾いてしまうので、汗や雨などの水分が吸収されずずっとジメジメという事に。

ポリエステルも良い所はあるにせよです。

それではまた。次回は投稿時に考えます。すいません