タキシードについて。フォーマルとは場に馴染み主役を引き立てる事の比喩である。
最近結婚式に呼ばれる事が多いし、お店としても式用スーツやタキシードを着用したいという、
お客様からの相談が中々増えているので、申し上げておきたい。
まず、タキシードの着用時間帯は夕方~夜。時間としては17時乃至は18時がベターであり、
昼間のお日様が顔を出している時間に着るものではないという前提条件を念頭に入れて頂きたい。
外国は別として、日本ではセーフと言う風潮があるが、私の個人的見解から言わせて頂くと
何を言っているんだ?と言いたい。
なので、結婚式が昼に行われるのにタキシードを着用するというのは、
プロの服屋の見解としては頂けないですな。
特に新郎の方は昼に式を挙げるなら、フロックコートかロングジャケットスーツをお勧めします。
(これの詳細は、式用スーツと一緒に多分後日投稿します。)
そして、襟のディテールは2つ。「ピーク」と「ショール」の2通りあります。
「ピーク」は夜の正礼装の燕尾服の流れなので、華やかさとかしこまった表現と捉えられるので、
特に「新郎」や「主催者」が着用する事が望ましい。「招待された」側や「給仕」する側が着用する事
は決してお勧めしません。イギリス・イタリア系の流れと言うのもありますが。
「ショール」はガウンの流れで派生したので、リラックスした印象になるので。
流れとしてはアメリカ系になります。リラックスという事はカジュアルに印象と言える
という事はつまり「招待された」側か「給仕」する側が着用する事が望ましいとなります。
なので「新郎」「主催者」の着用はあまりお勧めしません。勧められたら、先ずは断りましょう。
生地は一般的に黒が基本、ただ下記の様にネイビーでも良いです。
そもそもタキシードは、礼装としては準礼装にあたる装いであれど、
元々はアメリカの学生が卒業パーティーに着用するにあたって、
目立つ様に赤の生地でカスタマイズした歴史もあるので、
生地の色は基本自由で良いとも言えないでもありません。
しかしそこはドレスコードを守らないと、何だいい大人がと、ただのヤバい人として
恥とヒンシュクしかないので、生地選びとディテールはよく考える事をお勧めします。
自由ったって例外として「新郎」乃至は「主催者」は良いとしても。
ほんとに招待者は空気を読みましょう。場に馴染んで主役を引き立てる事。
それがフォーマルです。「ルールを知っていて外す」のと「知らないで外す」では
丸わかりなので。これは、式用スーツも例外ではありませんよ。