本音を言うと「本台場」は是か非か。解釈は人それぞれだが、個人的見解上、私は非である。
「ハイグレード」というオプションがあります。
要は、高級なお仕立てを付帯したい方への有料サービスです。
¥24,800_のお仕立てから、+¥11.000_で付帯できます。
ただ、余程でなければ個人的にどうかと思っているので、
私がご案内させて頂く方には恐らくあまりご紹介しないかと思います。
実は、この内容の1つの「本台場」というのが有ります。
この仕立てですが、日本のスーツならではの仕立方法です。
現在とは違い、日本にスーツ文化が渡来していた当時は繊維生産技術がまだ進化する前で、
表地はともかく、裏地の品質はあまり良いものではなく直ぐにボロボロになってしまうので、
しょっちゅう裏地の張替えが行われました。で、当時の職人さんがこれを避ける為に表地を
内側にかけて大きく裁断して裏地の仕様範囲を極力抑える為に「本台場」という仕立方法を
生み出しました。まぁ修理ばかりしていたら、商売になりませんから。
で、この「本台場」。要は表地をそのまま内側に経由して裏地と化して作るので、
当然本来のポリエステルやキュプラ素材の裏地を貼るよりも、ジャケットが重くなるし
厚みも出ます。という事は、春夏の通気性が求められるスーツでこれをやったら、
機能性も何もありません。本当に暑いし重いし、ストレートに言うとデメリットしかありません。
高級仕立てと一般的に言われてますが、生地をかなり多く使うので高級と言えば高級です。
がしかしハッキリ言って、やるなら秋冬生地のスーツに採用する事をお勧めします。
更に言うと、自分は寒がりと言う認識の有る方・イギリス産生地・フランネル生地などの
元々厚みの有る様な生地でスーツを注文される方にお勧めします。
イタリア産の生地やウール100%の柔軟生地で注文される方。
そして自分は暑がりと認識している方にはまずお勧めしません。
ジャケットの強度が上がるという事を言う人もいるかもしれませんが、ハッキリ言って変わりません。
しかもイタリア産の生地で台場を付けたら、厚みが出て本来表現されるべき「立体感」がぶち壊しです。
という事で、私に限ってはお勧めする事をためらう処ですのでご容赦下さい。
ただもし、どうしても「本台場」を付けたい場合は、ご相談ください。その時はハイグレード
をお勧めします。「本台場」が¥3,300_なので、上記画像のハイグレード仕立てのセットの方が
明らかにお得なので、こちらをお勧めします。
という処で本音の投稿を締めます。いや~。また色々な方向から怒られるんだろうなぁ・・・。
でも、服は高級感ったって、10人が10人観てそれが分かりますかね?
ある程度、快適さを求めないとストレスですよ。