冠婚葬祭。なぜ「黒」でなければならないのか?
そもそも、
「冠婚」=お祝い(人生の節目での喜ばしい出来事)
「葬祭」=お悔やみ(簡単に言うとお葬式)
となるので、全部一緒くたで済ませるのはどうなの?とストレートに表現しても止む無しな訳です。
本来は、礼服と言えば「白」でした。
結婚式でのドレスや打掛の基調は「白」ですし、亡くなった方に着せ付ける装束も「白」です。
「白」は清浄・穢れ無し。ドレスや打掛は言うに及ばず。
一方、装束が「白」なのも、浄土への巡礼にあたって穢れの無い状態でと言う意味です。
四国の巡礼でも白装束でしょ?
仏教文化がベースの日本にあって、実は戦前までは「白」が礼服の基本でした。
現在も、地域によっては「白礼服」で葬祭に出るところもあるそうです。
で、礼服が「黒」になったのは、戦後の物がなく礼服も貸衣装だった時代に
汚れが目立たない様にと「黒」を礼服として貸し始めたのが始まりで、
結果現在の礼服の概念は「黒」とされました。
まぁ、紋付も黒ですからそんなに違和感もなかったんでしょう。
メンズの礼服のシャツが「白」でないといけないってのは、元々「白礼服」だった時の名残と言われてます。(諸説あり)
ザックリこんな感じで、礼服も「黒」と浸透している訳です。
こういう意味の下地を知っておくだけでも、その場に立った時の心構えとか違ってきませんか?
そして、全部1着で済まそうなんて思わなくなりませんかね。
一応、ホントの事言うと
「冠婚」はダークネイビーかチャコールグレーかワインレッドのスリーピース。
ベストは出来たら色柄やトーンの違う生地。同じ生地でのスリーピースは略感が強すぎるので。
で、絶対ジャケットボタンは留めない。ポケットチーフはリネンの白。シャツは白か薄いピンク。
ブルーはビジネステイストが強いので避けるべし!!ネクタイはチェックと色つきのストライプ以外。
ドット・無地・ペイズリーが良い。無地ならブルーはやはりNG。シルバーなどが良い。
「葬祭」はブラック上下かスリーピース。スリーピース時は必ずジャケットのボタンは留める。
ポケットチーフはシルクの黒。シャツは白一択。ネクタイは黒無地一択。
装いで迷ったら、取り敢えず上記の装いにしとけば間違いないです。
と言う感じなので、全部一緒で済まそうなんて思わず、その時専用の1着1枚くらいは用意しておきましょう。
特に30代以上の男子!!あと、これに伴うカフスとかタイピンの話もあるんですがまた今度にします。